特定健診から特定保健指導までの流れ
これまでの健診では血圧検査や脂質検査などそれぞれの検査項目において判定を行ってきました。特定健康診査では、メタボリックシンドロームに関する項目の検査結果から、総合的な判定を行っていきます。
特定健康診査の項目のうち、「健診対象者の全員が受ける基本的な健診」と「医師が必要と判断した場合に選択的に受ける詳細な健診」の項目があります。
健診対象者の全員が受ける基本的な健診 |
|
診察 |
問診・身体所見 |
計測 |
身長・体重・BMI・腹囲 |
血圧 |
血圧測定 |
脂質 |
中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール |
肝機能 |
AST(GOT)・ALT(GPT)・γ−GT(γ−GTP) |
糖 |
尿糖(半定量)・空腹時血糖・ヘモグロビンA1c |
腎機能 |
尿たんぱく(半定量) |
医師が必要と判断した場合に選択的に受ける詳細な健診 |
|
貧血検査 |
ヘマトクリット値・血色素量・赤血球数 |
心電図 |
12誘導心電図 |
眼底検査 |
眼底撮影検査 |
問診票と健診の結果からメタボリックシンドロームのリスクに応じて、保健指導対象者の階層化(「情報提供」「動機付け支援」「積極的支援」)を行います。
1.肥満(【A】または【B】 |
|
【A】 腹囲 ●男性⇒85p以上 ●女性⇒90p以上 |
【B】 BMI ⇒25以上 |
2. リスク |
|
@高血圧 ●収縮期血圧 ⇒130mmHg以上 または ●拡張期血圧 ⇒85mmHg以上 |
A高血糖 ●空腹時血糖 ⇒100mg/dl以上 または ●ヘモグロビンA1c ⇒5.6%以上 |
B脂質異常 (高脂血症) ●中性脂肪 ⇒150mg/dl以上 または ●HDLコレステロール ⇒ 40mg/dl未満 |
C喫煙歴 ●(問診票より)現在たばこを習慣的に吸っている |
3.保健指導レベル |
●肥満に当てはまらない または ●肥満A・Bであるが、リスクに当てはまらない ●肥満Aでリスクが1つ または ●肥満Bでリスクが1つ〜2つ ⇒動機付け支援 ●肥満Aでリスクが2つ以上 または ●肥満Bでリスクが3つ ⇒積極的支援 |
生活習慣病を予防するために、日常生活上での食事や運動などを見直し、生活習慣の改善を中心とした支援を行います
情報提供 |
自らの身体状況を認識するとともに、生活習慣を見直すきっかけとします。健診を受診した方全員に、健診結果の読み方や、生活習慣の見直しや改善のきっかけとなる情報を提供します。 |
動機づけ支援 |
自らの生活習慣を振り返り、行動目標を立てることができるとともに、保健指導終了後すぐに実践(行動)に移り、その生活が継続できることを目指します。当院では、初回と半年後の支援を行います。 |
積極的支援 |
動機づけ支援に加えて、定期的・継続的な支援により、自らの生活習慣を振り返り、行動目標を設定し、目標達成に向けた実践(行動)に取り組みながら、支援プログラム終了後には、その生活が継続できることを目指します。 【初回】当院では、個別面接での支援を行います。 【3〜6ヶ月】 個別での面接と、電話・メール・手紙などを組み合わせた継続的なサポートを行います。 |
高血圧・糖尿病・脂質異常症で、現在内服治療・インスリン注射を行っている方は対象外です。
65歳〜74歳の方は積極的支援に該当する方でも、動機づけ支援になります。
動機づけ支援および積極的支援ともに、生活習慣の改善に向けた目標が達成されているか、実際に身体状況や生活習慣に変化がみられたのかについて評価を行います。
初回面接から6ヶ月経過した頃に、面接または手紙、電話、メールなどで実施します。
※「情報提供」の方に関しては、評価を行うことはありません
食生活や運動などの生活習慣が改善することで内臓脂肪が減少し、メタボリックシンドロームのリスクを減らすことにつながります。特定保健指導は6ヶ月間ですので、保健指導が終了した後も、改善した生活習慣を継続することでメタボリックシンドロームの予防につながります。