化学療法
近年、抗癌剤の著しい進歩により、これまで入院加療を必要としていた治療が、外来で可能なケースが多くなりました。入院して化学療法を開始後、安定したところで外来での治療に移行します。開始から外来でスタートのケースもあります。
当院の外来化学療法は、平成28年度、月平均15~18名の患者さんの利用があり、年間延べ300回の治療が行われています。主に内科では、消化器(胃・膵・胆管系)の腫瘍の患者さん。外科では、消化器(胃・大腸)、乳腺の腫瘍の患者さんが対象となっています。

疾患や治療内容により、スケジュールが決められ、毎週や隔週、3週間に1回など、個々のスケジュールのもと通院して治療を受けています。
入院とちがい治療を終えて自宅に帰るため、できるだけ不安が少なく治療していけるように、担当医師、看護師がきめ細かい対応を心がけています。
ベッドの他に、リクライニングチェアも導入し、輸液ポンプによる点滴管理、薬剤の調整は、薬剤師が安全キャビネットにて安全かつ迅速に行い、協力体制で対応しています。

頭皮冷却療法
乳がんに対して行われる化学療法ではほとんどの方が脱毛を避けられません。当院では頭皮冷却療法による脱毛抑制法を行っています。
1.頭皮冷却療法とは
抗がん剤投与時に冷却装置と連動したキャップを着用し頭部を冷却します。シリコンキャップ内を巡る冷却液が、頭部を冷やすことで血管を収縮させ、頭皮の血液の流れを抑制、さらに頭皮内の毛乳頭細胞、毛母細胞、毛根鞘細胞などの各細胞に対する抗がん剤の影響を低減・抑制し、抜け毛、脱毛を予防します。
当院ではベッドで行っております。

2.頭皮冷却療法の流れ
- 冷却キャップを装着(3つのキャップを重ねます)
- 抗がん剤投与30分前より冷却開始
- 抗がん剤投与中も冷却を継続
- 抗がん剤終了後、90分間冷却継続
- 冷却キャップをはずす
※抗がん剤治療中は毎回行います。行わないときがありますと脱毛が進みます。
※トイレに行く際は冷却を中断します。


1.隙間なく頭皮を冷やすためのインナーキャップ

2.日本人の頭部の形にフィットする冷却キャップ(シリコン)
日本人の頭部サイズを集めて開発したシリコン製の冷却キャップです。

3.アウターキャップでしっかり固定
顎ベルトで固定するため、治療中、読書やスマートフォン使用が可能です。
3.頭皮冷却療法の効果
国内で行われた臨床試験の結果から、頭皮冷却を行わない場合と比較して、頭皮冷却を行う場合では脱毛が軽度(目立たないレベル)から中等度(まだらに髪が残るレベル)に留まることが報告されています。脱毛の度合いは個人差があり、頭皮冷却療法を行っても脱毛が進む方はいますが、脱毛からの回復が早くなることは明らかです。一般的に、化学療法終了後1ヶ月ほどで頭皮全体に発毛が認められる場合が多く、早い方は化学療法終了の段階でこの状態に至ることもあります。
一方、頭皮冷却をしない場合、抗がん剤開始後2~3週間で髪がほぼ完全に抜け落ちることが一般的です。この場合、3ヶ月後にようやく頭皮が見えない程度に発毛することが多く、脱毛後の回復に要する時間は長くかかることがわかっています。また3年たっても40%以上の方が元の状態まで回復せず、薄毛、脱毛、白髪、くせ毛などの問題を抱えているとの報告もあります。
4.頭皮冷却療法の際、起こりうること
- 頭皮冷却による寒さや頭痛
- 吐き気
5.頭皮冷却療法の費用
化学療法による脱毛を抑制するための頭皮冷却療法は、保険収載されておりません。「医療サービス」として別途費用が発生します。
- 脱毛抑制法 施行代:1回につき6,000円(税別)
- インナーキャップ代:個人用1枚のみ購入2,500円(税別)
※当院で採用している頭皮冷却装置(セルガード)は、頭皮冷却用キャップの購入は必要ありません。
(他院で採用しているディグニキャップ(DigniCap)あるいはパックスマン(Paxman)ではキャップ購入に約8〜10万円が必要です。)